プロトタイプー透明な境界

2023年に予定されている複数の展覧会で更に拡大されて制作されるシリーズインスタレーションのために構想されたプロトタイプ作品。約1300個の透明なガラスブロック(伝統的サイズの 5 × 10 × 20 cm)を使った彫刻-建築-廃墟で、ロワール川とシェール川の交流部分の線をなぞるかたちで構成されている。この2つの川の河床と河の深みの部分が反転した形で合流する地点を示している。河と川の地面下の部分がアトリエを縦断する建築的空間として表現されている。このインスタレーションでは、さまざまな高さの壁の形で描かれた川が天然の国境の役割を果たし、観客は壁の低い部分をまたいでこの城壁を越えることができる。展覧会で発表される都度に、この二つの川の合流点の構築は変化する。展覧会の開催される地方や国にある川の合流点がモチーフとなり、ロワール川の底の砂が常に動き続ける事など、各川の水路学に照らし合わせられる。

Moving territory board

東京の領域が地面から脱離され、その境界線が、スケートボードと結合した作品。
ここに、「『我が家』にとどまりながら移動することが可能な装置」 を提案している。

1/10-一人用の建築 II, 一人用の建築 I

「近接学」的な、一人の人間のための最小の空間を10分の1の縮尺で表現した作品。身長170センチの人が腕を広げた時のスケールに値し、この親密な建築の直径はおよそ160センチになる。

ネジの外すことのできない境界

インスタレーションの設置される精神病院の敷地を囲んでいる柵を組立てているボルトと同じタイプが使われている。蛍光オレンジに塗られた約30本のボルトが、約30cmおきの等間隔で並んでいる。2つの空間をつなぎ合わせているかの様に、床と天井と2つの壁に平行に四角形を形取りながらねじこまれている。

11平方の国境 フランス-ベルギー

フランスとベルギーの国境の線を押し出し(Extrusion)によって成型した立体作品。
鑑賞者は作品の不規則な表面上で歩いたり横になったりすることができるが、ほとんどの人がバランスをとることに苦労する。この境界線の立体側はフランス側の領地を意味するので、鑑賞者が立体の上に立った場合、彼らはフランスの外側にいると考えられる。